拡大する写真・図版平田オリザ氏=3月16日、東京都板橋区

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 「ダメージは壊滅的です」「(小さな劇団は今後)2、3年公演できません」――。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政府の自粛要請は、舞台芸術界に多大な打撃を与えていると、劇作家・演出家の平田オリザさんは訴える。専門家会議は19日ごろにこれまでの自粛要請などの効果を判断、公表するとしているが、公演中止が長引けば、日本の文化はどうなってしまうのか。「芸術文化は社会インフラ」と唱え、国や地方自治体の文化政策にかかわってきた平田さんは、こんなときだからこそ「公共性」に目を向けてほしいと訴える。

せめて具体的な基準を

 ――日が経つにつれ、中小劇場での劇団公演にも自粛が広がっています。

 「ダメージは壊滅的です。公演中止で見込んでいたチケット収入がなくなれば、劇団員自らがかぶるしかない。スタッフにお金を払うこともできないので、小さな音響や照明の会社は連鎖的につぶれてしまう。法人格のない劇団は緊急融資の対象にもなりませんから、アルバイトをして借金を返すため、2、3年は公演できません」

 「芸術家としてのステップアップとなるはずだった公演が、中止となった劇団もあるでしょう。若い才能が演劇をやめてしまったり、伸びなかったりすれば、演劇界全体でなく、社会全体の損失になると思います」

 ――無観客の公演や演奏を行い、オンライン配信する動きもあります。

 「メトロポリタン歌劇場のオペラ公演の映像など、非常に高い技術で撮影された映像を見た場合、必ず本物を見たくなるというアンケート結果もあり、そういう点では良いと思います。ただ、『本体』があってこそ。チケット収入も得られない、無観客を続けることは現実的ではありません」

 ――芸術団体やアーティストを支えるために、できることは。

 「短期的には、経済的に困っている団体や個人への金銭的な支援、表現の場を失った若手に対する場の提供などだと思います。中長期的には、これまで置いてきぼりになっていた部分のあるフリーランスの方や小さな劇団を、どうやって継続的に支援していくかという課題もあります。一定時間以上働いているフリーのアーティストに失業保険を支給する仏の「アンテルミタン」のような制度にするのか、芸術団体の活動を薄く広く支援する、英のアーツカウンシルのような制度にするのか。日本にあった方法を真剣に考えていく必要があります」

 「現在の日本の助成金の制度は…

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