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 米国の閣僚が「(中国の)武漢ウイルス」と呼べば、中国外務省幹部が「米軍が持ち込んだ可能性」と反論する――。新型コロナウイルスの発生源をめぐって米中で非難の応酬が続く中、茂木敏充外相が18日の参院外交防衛委員会で「武漢肺炎と呼ぶべきだ」と主張する自民党の山田宏氏から質問を受けた。日本の外交責任者である茂木氏は、どのように答えたのか。

拡大する写真・図版茂木敏充外相

 山田氏は同委員会で「感染はどこから発生したのかはっきりしていないと、どう防疫するか、混乱してくる」と指摘。「米中の宣伝戦をどう見ているか」と質問した。茂木氏は「発生源や感染ルートを含め、各国及び国際機関で様々な研究や分析が行われている」としつつ、「中国で発生したことは明らか」と答弁した。

拡大する写真・図版自民党の山田宏氏

麻生太郎財務相も

 新型コロナウイルスの発生源について、米中の対立は激しさを増している。

拡大する写真・図版17日、ホワイトハウスで会見するトランプ米大統領=ロイター

 中国外務省の趙立堅副報道局長はツイッターに「感染症は米軍が武漢に持ち込んだ可能性がある」と投稿。一方の米国はポンペオ国務長官が「武漢ウイルス」と呼び、中国が感染拡大の責任を米国に転嫁していると反発。トランプ大統領も「中国ウイルス」とツイートするなど、批判合戦となっている。

 日本では、麻生太郎財務相が10日の参院財政金融委員会で「今回は武漢発のウイルスの話。新型とか付いているが、『武漢ウイルス』が正確な名前なんだと思う」との見解を示している。

拡大する写真・図版参院財政金融委で、立憲民主党の那谷屋正義氏の質問に答弁する麻生太郎財務相=2020年3月18日午前、岩下毅撮影

 ただ、「中東呼吸器症候群(MERS)」と名付けたことが差別を生んだことなどから、世界保健機関(WHO)は2015年、ウイルスの呼称に特定の地名をつけることは避けるとの指針を定めた。WHOは2月、新型コロナウイルスを「COVID―19」と命名。こうした経緯も踏まえ、茂木氏は「発生地」に言及しつつ名称への言及は避けたとみられる。

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 第201回通常国会。国会や政党など政治の現場での様子を「政治ひとコマ」としてお届けします。(太田成美)