[PR]

 プレスリリースから商品紹介記事を自動生成し、ヒトとの共同作業でトレンドの一歩先を読む――。そんな機能を備えた朝日新聞のAI経済記者「みつけーた」が23日、デビューしました。紙面や朝日新聞デジタルでより付加価値の高いコンテンツを発信し、記者の働き方改革にもつなげようという人工知能(AI)活用の試み。デビューまでの経緯や、コンテンツへの活用について紹介します。

 朝日新聞・情報技術本部の研究開発チーム「ICTRAD」と経済部がAI経済記者の検討を開始したのは2018年秋のことです。企業の決算記事をAIがつくっている日本経済新聞の事例などを参考にしながら、朝日新聞らしいAIの活用方法について検討を重ねました。

 その結果、AI活用の狙いを①コンテンツの付加価値を高める②記者の働き方改革につなげる、という2点に絞ることにしました。着目したのは、経済面の商品紹介の短信コーナーです。企業が出す新商品のプレスリリースのなかから、消費者の関心が高そうな商品を記者が選んで取材し、短く紹介するものです。この作業をAIで代替できれば、記者の負担軽減にもつながります。

戦評記者「おーとりぃ」に続け

 朝日新聞は18年、高校野球のスコアブックのデータを読み込んで戦評記事を自動生成するAI記者「おーとりぃ」を開発しました。その開発者であるICTRADの佐渡昭彦技師らが今回も中心になり、商品紹介記事を自動生成する試みをスタートさせました。

 プレスリリースの配信サービスサイト「PR TIMES」から対象のリリースを拾い出して記事生成を試みたところ、飲食品は比較的記事化しやすい半面、一つのプレスリリースに複数の商品が記載されているケースなどは記事化が難しい、といった手応えや課題がみえてきました。19年秋には、かなりの数の商品紹介記事を、紙面掲載記事と遜色ないレベルで書けるようになりました。

 さらに、商品紹介記事を発売日ごとに並べ直したり、独自分析で割り出した「トレンドワード」を含む商品を拾い出したりすることで、読者に対してより付加価値の高い商品紹介記事を出せるようにもなりました。

名付け親は10歳の女の子

 AI記者のキャラクターは社内で公募。寄せられたアイデアから、名古屋報道センター(経済)の山本知弘記者の長女、桃子さん(10)が考えたタケノコキャラ「みつけーた」を選びました。その原画にほぼ忠実に、「おーとりぃ」を手がけたデザイン部員がキャラクターを描きました。

 桃子さんによると、「みつけーた」は10歳。経済のニュースのように、新しいものがどんどん出てくるイメージでタケノコが浮かんだそうです。

 こうして誕生したAI経済記者「みつけーた」。これからどんな場で活躍していくのでしょうか。

 一つは朝日新聞の経済面の短信コーナー「経済ファイル」に、「みつけーた」が書き、記者が確認取材した商品紹介記事を掲載していきます。発売日が近い商品、トレンドに乗った商品を選ぶことで、消費者にとってより役立つコーナーにしていきます。

朝日新聞デジタルで、紙面で

 もう一つは「みつけーたのトレンド先読み」。AIとヒトの共同作業で、次のトレンドになりそうなワードを抽出。そのワードに関連する複数の商品について、記者が開発担当者やマーケティング担当者らに取材し、商品に込めた思いや狙いを聞くことで、トレンドの最先端を探ります。初回のトレンドワードは「ニンニク」。朝日新聞デジタルと朝日新聞の紙面で随時、展開していきます。