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 公正取引委員会が18日に報告書を公表したグルメサイトの実態調査で、ヒアリングを担当した公取委職員が、サイト運営会社の担当者を怒鳴りつけたり、取り締まりの対象になるかのような発言をしたりしていたことがわかった。会社側から指摘を受けた公取委は会社に謝罪し、ヒアリングをし直した。

 関係者によると、この職員は複数のサイト運営会社へのヒアリングで、会社側の説明が「信用できない」と言って取り合わなかったほか、机をたたいて怒鳴ったこともあった。「社名を報告書に載せる」「(取り締まりを担当する)審査局に話を持っていく」などとも発言したという。

 実態調査は、特定の業界の取引慣行について、独占禁止法に抵触する恐れの有無を報告書にまとめて公表することで、事業者の自主改善を促すのが一般的。行政処分が目的ではなく、制裁的に社名を載せることもない。取り締まりを担当する部署とは情報を共有しないとされる。

 サイト運営会社の関係者は、「信頼関係の中で開示している情報もあり、ファイアウォール(防火壁)が機能しないような発言があれば、公取委への信用が揺らぐ」。公取委OBの南部利之さんは、「担当者個人の問題かもしれないが、今後の実態調査で事業者が協力してくれなくなるおそれがある。公取委は今後そうしたことが起こらないように注意すべきだ」と言う。

 公取委は「実態調査は相手方の理解と協力を得て適切なコミュニケーションを取りつつ進めることが重要」とし、「委員会の考え方と異なるようなヒアリングが行われたという指摘を頂いたことは極めて遺憾」とコメント。職員は「業界を良くしたいという思い」と説明したというが、「今後このようなことがないよう適切に指導などを行った」としている。(中野浩至、栗林史子)