オウム真理教による地下鉄サリン事件で被害にあい、約25年にわたり後遺症と闘ってきた浅川幸子さん(56)が10日、死去した。死因はサリン中毒による低酸素脳症だった。幸子さんの兄・一雄さん(60)や代理人弁護士らが19日、都内で会見して明らかにした。一雄さんは「何の落ち度もない妹が亡くなったが、幸子が悲しまないよう前向きに生きていきたい」と語った。

 事件は1995年3月20日午前に発生。当時31歳だった幸子さんは、勤務先の研修に行くために乗った地下鉄丸ノ内線の車内で事件に巻き込まれた。心肺停止状態で倒れているところを発見されて一命を取りとめたが、全身に麻痺(まひ)が残り寝たきりになった。以来、一雄さんら家族が介助を続けてきた。事件から10年が経つころからは、幸子さんと一緒に実名で被害を訴えてきた。

 代理人弁護士によると、幸子さんは今月10日午前9時半ごろ、東京近郊の病院で亡くなった。一雄さんは「25年間本当に、本当に頑張ったよね。お疲れ様」などと声をかけたという。報道機関にもコメントを寄せ、「幸子、私たち家族に携わってくださった皆様、ありがとうございます。このような事件は二度と行ってはいけません。起こしてもいけません」などと訴えた。(新屋絵理)