「教師は威厳」が様変わり 絵本が主役、そんな教育改革

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ミャンマー中部ピー=貝瀬秋彦
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 「スェジャーメーヘェイヤァー!」(引っ張るぞ、へいやー!)。

 おじいさんがかけ声をかけて、大きなかぶを抜こうとしますが、なかなか抜けません。おじいさんはおばあさんを呼んできて、おばあさんは孫を呼び、孫はイヌを呼んで、イヌはネコを呼び、ネコはネズミを呼んで――。

 日本語版では「うんとこしょ どっこいしょ」のかけ声で知られるロシアの昔話、「おおきなかぶ」の絵本(福音館書店)のミャンマー語での読み聞かせが始まると、子どもたちが絵に釘づけになり、耳をそばだてる。ストーリーに合わせ、おじいさん役の先生がおばあさん役、孫の役にと次々に子どもたちに参加を促すと、我先にと前に出て、一緒に大きなかぶを想像しながら引っ張るしぐさをする。やっとかぶが抜けると、教室の中に拍手と歓声が広がった。

読み聞かせで広がる笑顔

 ミャンマー中部の古都ピー。ここで2月上旬、子どもたちに絵本や紙芝居などを読み聞かせる「おはなし大会」が開かれ、公立小学校や寺院学校の先生、公共図書館の職員ら約80人が参加した。

 大会は昨年に続き2回目。日本のNGO「シャンティ国際ボランティア会(SVA)」がミャンマーの情報省や教育省の協力で開催し、国際交流基金豊田通商の現地法人「TTAS社(トヨタエーアンドサンズ)」の支援も得た。

 SVAはアジア各地で子どもたちへの教育支援を中心に活動しているが、その柱の一つが、子どもたちに絵本を届けたり、学校に図書館や図書室をつくったりする事業。読み聞かせ活動も重要な位置を占めている。

 「SVAでは、子どもたちに読み聞かせる『おはなし』を教育の原点と位置づけています。子どもたちが声を上げて笑い、読む楽しさを知り、知る喜びを味わう。それによって世界を広げ、想像力を養う土台を築くことを願っての活動なんです」

 SVAアジア地域ディレクターの八木沢克昌さんはそう話す。

 日本では昔から、当たり前の…

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