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 全日本空輸(ANA)は19日、約5千人の客室乗務員を対象に1人あたり数日程度、一時帰休させる方針を労働組合に示したことを明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大で国際線だけで約6割を減便しており、一時的に人手が余っているため。航空業界への打撃が国内でも広がる中、影響が雇用に及び始めた。

 労働組合と合意できれば4月から始める方針。一時帰休の対象は約8千人いる客室乗務員のうちフルタイムで働く約5千人で、正社員全体の3割超にあたる。対象者には休業手当を支払う。雇用調整助成金の活用も検討する。役員報酬や管理職の賃金もカットし、コスト削減を徹底する。

 新型コロナの感染拡大で世界中で人の行き来が大幅に制限され、世界の航空会社は減便を余儀なくされている。欧米では人員削減を検討する動きも出ている。国際航空運送協会(IATA)は、今年の世界の旅客数が最大2割、売上高で1130億ドル(約12兆円)が失われると見込む。

 日本の航空会社19社でつくる定期航空協会は、国内航空会社の減収幅が2~4月に3千億円にのぼると試算。大手の財務体質は比較的健全とされるが、感染終息のめどが立たず航空需要の回復が見通せない事態となっており、人件費を含めたコスト削減が急務となっている。(南日慶子)