心愛さん虐待死、六つの罪をどう認定 千葉地裁判決要旨

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 千葉県野田市で小学4年の栗原心愛さん(当時10)が虐待死したとされる事件で、千葉地裁が19日、傷害致死など六つの罪に問われた父親の勇一郎被告(42)に言い渡した判決理由の要旨は次の通り。

六つの罪の認定

 被告は2017年9月ごろから野田市で妻、心愛さんと6月に生まれた次女と生活。心愛さんの虐待に及ぶようになった。

 ①心愛さんの頭を殴るなどした暴行罪(17年11月上旬ごろ) 心愛さんは当時通っていた小学校で行われたアンケートに「お父さんにぼう力を受けています。夜中に起こされたり、起きているときにけられたりたたかれたりされています。先生、どうにかできませんか」などと記載。担任教諭が心愛さんから聞き取りをした。心愛さんの生前の供述の内容は、具体的エピソードを伴っており、担任教諭は、心愛さんが自分の言葉で、淡々と、ときには涙を流しながら話をしてくれたと証言。当時9歳の児童ながら、耳を傾けてくれた大人に対し、身に起こったことをありのまま精いっぱい伝えようとしていた心愛さんの様子をうかがうことができる。

 一時保護した児童相談所での診察では顔面の内出血が認められ、12月にPTSD(心的外傷後ストレス障害)の疑いがある診断がされたこと、大泣きする様子を撮影した動画の存在などが心愛さんの供述を一定程度支える。生前の供述は十分に信用できる。

 ②心愛さんに便を持たせて撮影した強要罪(18年7月30日) 被告を極度に畏怖(いふ)する心愛さんを怖がらせ、命じて被写体にしたことが強く推認される。

 ③心愛さんの胸骨を折るなどの傷害罪(18年12月30日ごろ~19年1月3日ごろ) 両手首をつかんで身体を引きずったほか、顔面や胸を圧迫し打撃するなど暴行を加え、全治1カ月を要する顔面打撲や胸の骨折のけがを負わせた。解剖医の証言によれば、1月5日に被告が撮影した動画から、目の周りやほおに皮下出血とみられる変色や腫れがあり、1週間以内のけがと認められる。自分で転んだ際にあざが生じにくい部位。胸の骨折は、死亡時点で1、2週間またはそれ以上が経過。妻が証言した被告の暴行時期と矛盾しない。

 ④妻の顔を殴るなどした暴行罪(19年1月1日ごろ) 克明かつ具体的で信用できる妻の証言によれば認められる。

 ⑤心愛さんを浴室に立たせるなどした強要罪(19年1月5日ごろ) 心愛さんにけがを負わせたため、外に連れ歩けないと考え、予定していた家族旅行をキャンセルしたが、その不満を心愛さんにぶつけた。首を横に振って嫌がる心愛さんの服をつかんで廊下にひっぱり出し、浴室に立たせるなどした。

 ⑥心愛さんへの傷害致死罪(19年1月22~24日) 心愛さんに食事を与えないとともに十分な睡眠を取らせなかったほか、浴室に連れ込み冷水を浴びせ続けるなどした結果、心愛さんはショックもしくは致死性不整脈または溺水(できすい)で死亡した。遺体の状況と整合しない被告の供述は信用できない。

 ■量刑の理由…

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