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 METの愛称で親しまれる米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場は19日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、5月9日までの予定だった今年度の公演を打ち切ると発表した。所属する楽団員やコーラス歌手、舞台スタッフらは一時解雇となり、給料の支払いは3月末で打ち切られる。

 ニューヨーク州は12日に500人以上の集まりを禁止し、METもこれを受けて公演を中断していた。METのピーター・ゲルブ総裁は公演打ち切りについて「公演継続が不可能となる例外的事態。極めて困難な時期で、従業員を支援するために最善を尽くす」と声明を発表。米公共ラジオNPRによると、一時解雇は楽団員らの組合との取り決めにある「不可抗力」の事態を適用したという。

 METは9月から新シーズンに入る。通常はこれに先駆けて練習が始まるが、新型コロナウイルスの感染を抑え込めなければ中断期間が長期化する可能性もある。METはファンをつなぎとめる策として、舞台を高画質で録画した映像を毎日無料で公開している。また、公演中止での収入減を補うため、近く緊急の資金集めを始めるという。(ニューヨーク=鵜飼啓)