拡大する写真・図版原田和彦さんは、このワゴン車で長野市内の浸水地域を走り回った=2019年10月(市立博物館提供)

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 大災害が起きたとき、被災地にかけつけるのは、消防や自衛隊だけではない。地域に残された貴重な歴史資料(史料)を救おうと、歴史学者たちも一斉に動き出す。昨年秋に大きな被害が出た台風19号でも、研究者たちが民家を訪ね、ビラをまき、冷凍庫や布団圧縮袋をかき集め、各地をかけずり回っていた。

時間との勝負

 台風19号で千曲川が決壊し、大規模な浸水被害が起きた2日後の昨年10月15日朝、長野市立博物館学芸員の原田和彦さんのもとに一通のメールが届いた。真田家の城下町として知られる市内の松代地区で、一般の民家などに保存されている資料が浸水の被害に遭っている可能性があると知らせる内容だった。

 原田さんはすぐに、ワゴン車に乗って、寺や民家を回った。仏像、古い経典、掛け軸、古文書……。泥をかぶったりぬれたりした資料を修復するために預かり、博物館に持ち帰った。 災害ごみとして、急がないと資料が捨てられてしまいかねないという懸念もあった。原田さんは避難所も回り、水浸しになった文書を捨てずに相談してほしいとビラを貼った。

 博物館には連日、県内外の研究者や学生、地元のボランティアらが集まった。くっついた紙を1枚ずつはがしてキッチンペーパーを挟んで水分を吸い取り、乾かす作業を繰り返した。

 冷凍庫は、隣県の新潟県立歴史…

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