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 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、東京五輪の延期の検討を始めた国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は22日、アスリートたちに宛てた「手紙」を公式ツイッターなどで公表した。「関係する人たちの健康を守り、ウイルスを封じ込めることを最優先する」と説明したうえで、「現在持ち合わせている情報で、東京五輪の開催時期を最終判断するのは時期尚早だ」と述べ、IOCの考え方に理解を求めた。

 手紙は、IOCが延期を含めた検討を公表したのと同じタイミングで公表された。「同じ志を持つアスリートたちへ この前例のない危機のなか、我々は一致団結している」との書き出しで始まり、人々の健康や感染防止を原則に開催の判断をすると約束した。ただ、感染拡大に関しては不確実なことが多すぎるため、先が予測できないことも強調。「現在持ち合わせている情報で、東京五輪の開催時期を最終判断するのは時期尚早だ」と説明している。

 バッハ氏は「アスリートとして、成功する可能性が極めて小さいように見えても、あきらめるべきではないと分かっているはずだ」と言及。東京五輪に向けた姿勢は「この経験に基づいている」とした。また、現役のフェンシングの選手として経験した1980年のモスクワ五輪ボイコットを引き合いに出し、「五輪が開かれ、参加できるのか、分からない状況だった。個人的には、決定する人たちがもっと時間をかけて、より確かな情報で判断して欲しかった」と諭した。

 さらなる反発や批判が起きることも想定して、「現状に納得できないことも分かる」「この合理的なアプローチが気持ちにそぐわないこともあるだろう」などとフォローもしている。

 中止については「誰の助けにもならない」とあらためて否定をした。(ロンドン=遠田寛生)