拡大する写真・図版アマミノクロウサギ

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 1995年2月、環境問題に一石を投じる日本初の訴訟が鹿児島地裁で始まった。原告は、特別天然記念物の「アマミノクロウサギ」など奄美大島の希少動物たちと住民ら。鹿児島県を相手取り、生息地への悪影響が懸念されていたゴルフ場計画の開発許可取り消しを求め、提訴した。

 訴状の原告には、アマミノクロウサギのほか、野鳥の「オオトラツグミ」「アマミヤマシギ」「ルリカケス」が名を連ねた。原告側は「野生生物を含む生態系そのものに本来の姿で存在する権利がある」という「自然の権利」という概念を訴えた。当時の日本では目新しい考え方だった。

 地裁から訴状の訂正を求められ、「アマミノクロウサギこと●●」と代弁者となる住民の名前を付けて修正し、裁判は続いた。2001年の地裁判決は「却下」。一方、「自然が人間のために存在するという考え方を推し進めていってよいのかどうかについては、改めて検討すべき重要な課題」と、異例の言及をした。

 この訴訟は全国的に話題となり、提訴後に類似の訴訟が続いた。裁判が問いかけた意味とその後の経過を、弁護団事務局長を務めた籠橋隆明弁護士(62)に聞いた。

 ――なぜ動物を原告にしたのですか。

 「京都でゴルフ場問題に関わっ…

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