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 「開幕を楽しみに待っていただきたい」。今年から選手会長を務める田中広輔がファンに向け、ナインの思いを代弁した。本来なら20日に開幕したプロ野球だが、新型コロナウイルスの影響で延期。シーズンの幕開けが見えない中で、選手は調整を続けている。

 昨季は1軍投手コーチを務めた佐々岡真司を新たな指揮官に迎え、2年ぶりのリーグ制覇を誓った今年。春季キャンプでは一体感をテーマに各選手が鍛錬の日々を送った。オープン戦の成績は5勝5敗2分け。投手陣は12球団ワーストの防御率で不安を残したが、西川龍馬を3番に据えた新打線は、去年以上の期待が持てる。ただ、見えない敵が国内をはじめ世界で流行。途中から無観客で行われたオープン戦は盛り上がりに欠け、この時期恒例の順位予想は各メディアから消えた。

 デーゲームで行われるはずだった開幕戦。延期にはなったが、球場周辺にはチケットの払い戻しのため訪れたファンの姿があった。「この日のために前もって休暇をとっていた。本当であれば(球場の)中で観戦していたのに」。廿日市市の男性は残念がる。東京から訪れた6人組は、宿泊先のホテルをキャンセルしなかった。「観戦は諦めて観光しようかと。ただ、原爆資料館も閉まっていて、どこに行けばいいのか」と肩を落とした。

 先が見えない不安な日々に、選手が発した言葉を刻む。「幸せな毎日が訪れる時を待ちわびて、一生懸命、僕たちも準備したい」と大瀬良大地。2年連続の開幕マウンドは特別な思いで臨む覚悟だ。自身も父親である会沢翼は、休校で生活が一変した子どもたちを気遣った。「子どもとのコミュニケーションをとっていただいて、笑顔で暮らしていけるようにやっていけたら」。新型コロナウイルスの終息を願い、今は力を蓄えよう。来たるべき日に選手の背中を押すために。(広島ホームテレビ・アナウンサー)