拡大する写真・図版米ニューヨーク証券取引所に掲げられた米国旗=2020年3月18日、ロイター

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 新型コロナウイルスが世界中に蔓延(まんえん)し、欧米では経済活動が止まりつつある。世界的な不況が確実となるなか、投資家はリスクを避けるため、世界の金融市場から資金を引き揚げている。その換金先は基軸通貨の米ドルだ。ドル資産の需要が一気に高まり、世界中でドル資金が足りない状況に陥っている。米国の中央銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)はドル資金の大量供給に動くが、経済の基盤が弱い新興国のリスクが急速に高まっている。

 新型ウイルスは今、イタリアなど欧州や米国で急速に感染が拡大し、社会不安に陥っている。米国ではニューヨークなど主要州で感染防止のため移動制限が発令され、経済活動が止まった。記録的なレベルの失業増加が確実で、実体経済には深刻な影響が出ている。企業や銀行は資産の現金化を急ぎ、米国内でさえ短期金融市場でのドル資金の調達が難しくなっている。

 こうした事態を受け、FRBは23日、前例のない金融緩和策に動いた。約1週間前の15日に緊急で決めたばかりの「量的緩和」をさらに拡大し、事実上、無制限に米国債などを買い入れて市場に大量の資金を流す。2008年のリーマン・ショック時に発動した企業の資金繰り支援措置なども、今回改めて打ち出した。

拡大する写真・図版ニューヨークの街から人影が消えた=21日、江渕崇撮影

 米国外でのドル不足はさらに深刻だ。ドルは米国以外の国々が貿易決済などに使う基軸通貨だ。不安を募らせた投資家が、新興国などに投じた資金をドル投資に振り替えようと一斉に動いており、米国外ではドル建ての資金が簡単には得られなくなっている。外国為替市場でのドル相場は、対新興国通貨だけでなく、対円やユーロでもドル高傾向が続いている。

 世界中で起きているドル不足を…

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