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 昨秋の台風19号で住宅地一帯が浸水した山田町船越の田の浜地区をめぐり、町の検証委員会(委員長=小笠原敏記岩手大教授)が、被害拡大の要因などに関する検証報告書をまとめた。24日、町に提出された。

 昨年10月12日夜~翌朝の記録的豪雨で、地区では14棟が全壊、44棟が大規模半壊・半壊など住宅被害は計118棟に上った。報告書は浸水の要因として、▽強さ、量ともに未曽有の豪雨▽流木を含んだ大規模な土石流が発生▽地区を流れる女川の排水施設が閉塞(へいそく)▽他流域からも大量の雨水や土砂が地区に流入――の四つを挙げ、より大きな被害につながったと指摘した。

 東日本大震災後に町が整備した津波対策の盛り土の堤防(高さ約3・3メートル)が雨水をせき止める形になり、住民からは「人災だ」との声も上がっていた。小笠原委員長は取材に対し、「(堤防は)直接的な被害要因ではない」とした。堤防を含む同地区の排水施設は県の基準や過去の災害記録など「各基準に基づいて適切に設計されており妥当」として、「(今回の)水害リスクの事前予測は困難だった」と結論づけた。

 現在も決壊したままになっている堤防の復旧は、排水機能を高めるため、「土手に避難経路兼用のゲートを新たに設ける」「川が通る開口部を広げる」の2案を提示。佐藤信逸町長は「地元の方に寄り添い、安心・安全な住環境を整備していく」とした。住民向けの説明会は27日に行う予定。新型コロナウイルス感染対策などのため、参加者を地区の自治会役員に限定し、非公開で行う予定としたが、この日の全員協議機会では複数の議員から「希望すれば誰でも参加できるようにすべきだ」との意見が上がった。(太田原奈都乃)