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 新潟県内の多くの小学校で24日、卒業式があった。新型コロナウイルス対策として休校が続く中、各地でマスク姿の児童が例年と違う門出の日を迎えた。

 燕市立大関小学校では、在校生や来賓はおらず、保護者と教職員だけで卒業生21人を送り出した。感染防止として全員マスクを着け、いすを1メートル以上離した。式の練習は休校期間前の1回だけだったため、児童が動きを間違えないように進む方向を床に矢印で示す配慮をした。

 永野義明校長は式辞で「これまでに経験したことのない状況が世界中に広がっています。しかし、どんなに暗い夜にも必ず朝は来ます。笑顔で上を向いて進みましょう」と話した。式の後、教職員が予定になかった合唱や「好きなことをとことん追い求めて下さい。頑張れ!」などのメッセージを披露し、児童を驚かせる場面も。卒業生の下村翔暉さん(12)は「正直突然の卒業式だったので実感はありません」と困惑していたが、「先生たちがここまで準備してくれてうれしかった。習い事の水泳と勉強も文武両道が出来る中学生になりたいです」と話した。(緑川夏生)

拡大する写真・図版児童はマスクを取り、床の印で立ち位置を確かめながら卒業証書を受け取った=2020年3月24日午前9時49分、新潟県燕市大曲、緑川夏生撮影

拡大する写真・図版歌詞を見ながら「旅立ちの日に」を合唱する児童ら=2020年3月24日、新潟県燕市の大関小学校、緑川夏生撮影

【動画】卒業生にサプライズ 黒板アートで門出を祝福=JAM日本アニメ・マンガ専門学校提供、谷瞳兒撮影

 新潟市立白山小学校では、市内の日本アニメ・マンガ専門学校の学生4人がチョークで絵を描く「黒板アート」をプレゼント。43人の卒業生は「きれい!」「びっくり!」と喜んだ。

 2016年に始まって5回目。今年はコミックイラスト科の1年生4人の学生が有志で参加。6点のデザイン画を提案し、2月中旬に白山小6年の担任と学年主任が選んだという。

 選ばれた作品の題名は「未来」。中学校の制服を着た6年生の男女2人が、卒業証書の入った筒を片手に晴れやかな表情で桜を見上げている姿が描かれている。原画を描いた吉川萌瑛さん(19)は「中学校に上がると大変なこともあるけど、明るい未来も待っているよというメッセージを込めた」と語った。

 前日の23日、紫やピンクなど9色のチョークを使い、綿棒や指の腹でぼかしながら約5時間かけて完成させた。吉川さんは「通常は影を描くのが普通だが、黒板の場合は地の色が影になるので、指などで色を抜くのが大変だった」と苦労を語った。

 学年主任の室橋恵美さん(48)は「目線が上から描かれており、2人がすごく先の未来を見ている様子が門出にぴったりだった」といい、「卒業式の練習初日の2日から休校になり、卒業の実感がないと思う。絵を見て少しでも卒業の雰囲気を感じてもらいたかった」とほほえんだ。

 卒業生の高橋芽衣さん(12)は「私たちのためにこんなことをしてくれてうれしい。とてもきれいな絵で驚いた」と笑顔。櫛谷かのんさん(12)は「短くても卒業式ができてよかった。中学校では勉強と部活の両立を頑張りたい」と話していた。(緑川夏生、谷瞳兒)

拡大する写真・図版専門学校生が黒板に描いた作品「未来」=2020年3月23日、新潟市立白山小学校、緑川夏生撮影

拡大する写真・図版笑顔で黒板アートを見つめる新潟市立白山小学校の卒業生ら=2020年3月24日、新潟市中央区

拡大する写真・図版黒板アートを描いた日本アニメ・マンガ専門学校の学生4人=2020年3月23日午後3時56分、新潟市中央区の白山小学校、緑川夏生撮影

拡大する写真・図版チョークや指、綿棒などを使って丁寧に絵を描いていた=2020年3月23日午後3時20分、新潟市中央区の白山小学校、緑川夏生撮影

拡大する写真・図版黒板アートの前で記念撮影する児童ら=2020年3月24日午前10時36分、新潟市中央区の白山小学校