新型コロナウイルスの集団感染が起きた、ダイヤモンド・プリンセス号。乗員乗客3711人の大型クルーズ船で起きた「前例なき危機」に、政府はどう対応したのか、その内幕は。専門家や乗客らが指摘した船内の実情や課題とは――。
ダイヤモンド・プリンセス号が横浜港沖に停泊した2月3日の午後10時すぎ。厚生労働省の会見室は、報道陣でごった返していた。乗客をいつ、どう下船させるのか。記者たちから矢継ぎ早に質問が飛んだ。
「問題なければ、自宅に帰ってもらいます」。厚労省の担当者は、そう説明した。当時、ある幹部は「症状のある人を中心に検査する」と話していた。無症状なら、検査もせずに帰宅させる――。それが政府の方針と受け止められていた。
だが、事態は一転する。翌日、そんな楽観を吹き飛ばす「問題」が判明したからだ。
4日午後10時ごろ。東京・…

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