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 世界中から多くの人たちが訪れるはずだった東京五輪・パラリンピックの延期が決まり、旅行会社やホテル業界は相次ぐ問い合わせの対応に追われた。「遅くとも来夏」とされる開催時期だが、新型コロナウイルスの感染者数は増え続け、収束のめどはたっていない。

 「大会の延期で観戦ツアーはどうなるのか」。延期決定から一夜明けた25日、公式観戦ツアーを扱う旅行会社には、予約客から問い合わせが相次いだ。

 ツアーが中止になれば、代金を返すのが通例だが、今回は大会が来年にずれても引き続き観戦を望む人も少なくないとみられる。延期後のチケット販売がどうなるかはまだ見えず、各社とも、払い戻しや期間変更といった対応をどうするか定まっていない。

 旅行大手KNT―CTホールディングスは急きょ、「正式な開催期間や競技会場が確定していない状況であり、観戦ツアーの取り扱いは改めてご案内します」とする告知をウェブサイトに載せた。広報担当者は「今の段階では『方針が決定したら必ずご案内します』と対応するのが精いっぱいだ」と漏らす。

 東武トップツアーズもサイトで、「観戦ツアーの催行を中止します」と告知。「今後の観戦ツアーは未定」とした。

 一方、ホテル業界では「中止にならなかっただけありがたい」との声も聞かれるが、大量の予約キャンセルが予想される。今夏に見込んでいた売り上げがいったん消える痛手は大きい。

 大会の立候補ファイルによると、期間中は運営や競技団体、メディア、スポンサーなど関係者の宿泊需要は4万6千室程度と見込まれていた。足元ではすでに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で宿泊需要が落ち込んでおり、五輪関係の予約がキャンセルされた後、膨大な空室を埋めるのは容易ではなさそうだ。

 五輪特需を見込んで、ホテル業界は数年前から投資を増やしてきた。業界関係者は「新型コロナで売り上げが急減したところに、五輪延期で収益見通しが立たなくなった施設もある。体力のない事業者は倒れる可能性がある」と話す。(田中美保、高橋尚之)

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