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 高校野球の春季沖縄県大会(沖縄県高校野球連盟主催)が25日、3会場ではじまった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、第92回選抜大会が中止された後、全国で初めて開かれた公式戦。各地で中止になる大会が相次ぐなか、無観客試合での開催となった。

 沖縄セルラースタジアム那覇であった1回戦。第1試合は那覇と北谷の県立校同士の対戦だった。場内アナウンスも、歓声もない。延長十三回、タイブレークの末に5―6で敗れた那覇の銘苅航大主将は試合後、「ほかの地域は大会をできないところもある。やらせてもらえることが、本当にありがたい」と語った。沖縄の県立校は3月4~13日が休校となり、その間、部活動も全面禁止に。両校は16日に練習を再開したという。

 大会では、本来なら選抜大会で先に導入されるはずだった「1週間500球以内」の投球数制限や申告故意四球(申告敬遠)も全国に先駆けて実施された。加えて、運営側は感染症対策にも取り組んだ。

 37・5度以上の発熱がある部員や大会関係者の球場入りを認めず、ベンチをはじめ数カ所にアルコール消毒液を置いた。滞在時間の短縮や、密集と密閉を避ける工夫に力を入れた。スタンドの控え部員は一定の間隔を空けて座り、声援は禁止。球場にいる人員を減らすため、従来なら別の学校の部員が担うボールボーイや整備係も対戦校の部員が担った。シートノックや勝利チームの校歌斉唱も割愛。場内アナウンスは担当者が密閉空間に長時間いることになるため、控えた。無観客試合に「練習試合みたい」と漏らす選手もいた。

 日本高校野球連盟は、選抜大会で取り組もうとした感染症対策を参考資料として各都道府県連盟に示した。ただ沖縄では示された対策のうち、試合終了ごとのベンチ消毒や検温のチェックシート活用など、実施が見送られたものもある。対策に人手は必要だが、濃厚接触の機会を少なくするために人は減らさなければならない――。球場の担当者は「日本高野連が提示した対策をすべて実施するのは難しい」と話す。

 全国では四国地区大会や静岡、高知などの県大会が中止に。25日には新たに、東海地区大会の中止も決まった。開催可否の検討を続けている地区も少なくない。

 そのなかで沖縄では県内の感染状況が落ち着いており、部活動が再開したことを踏まえ、県高野連は開幕を5日間遅らせ、3月いっぱいは無観客試合としたうえで大会を開催することにした。岩崎勝久会長は、「ずるずると(開幕を)延ばしてどこでゴーサインを出すのか。すごく難しかった」と言う。そのうえで、「もちろん感染のリスクは最小限にしていかないといけないが、基本的に高校野球は教育。生徒にとって本来あるべきはずの教育活動がなくなるのは、悲しいこと」と話した。今後、大会関係者に感染者が出た場合は、大会の休止や中止を検討するという。(小俣勇貴