[PR]

 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は25日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた東京五輪・パラリンピックの延期は「難しいが、賢明な決断」だとして、全面的に支持する姿勢を示した。安倍晋三首相と国際オリンピック委員会(IOC)に対し「選手、観客、大会関係者の健康を守るための犠牲を払うことに感謝する」と述べた。

 WHOの緊急対応責任者マイク・ライアン氏は、東京大会組織委員会やIOCとの協議内容についての詳細を明らかにしなかったが、「この2カ月間、急速に広がるパンデミック(世界的な大流行)への対処と、その影響で6、7月にどのような状況になりそうかについて助言してきた」と説明した。

 日本のウイルス封じ込めの取り組みとは別に考慮すべき点として、世界各国での状況や(人々が)移動する難しさを挙げ、「病気が持ち込まれたり、日本から別の場所へ出ていったりするリスク」もあるとした。そのうえで「我々はこの(延期の)決断を全面的に支持する」と述べた。

 テドロス氏はまた、多くの国で行われている外出自粛や休校、行事の中止などについて「それ自体では感染症を消し去ることはできない」と指摘。こうした手段で感染拡大を抑えている間に検査や医療の態勢を整えることが重要だとした。「ロックダウン(都市の封鎖)を導入した国は、その時間を有効に使ってほしい」と注文をつけた。(ジュネーブ=吉武祐)