拡大する写真・図版イスの作品を集めた展示室「いたずらもたまにはちょっとやるといい」=森田兼次氏撮影

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 絵画がひっくり返る。イスが宙を舞う。富山県美術館(富山市)で開催中の「森村泰昌のあそぶ美術史」展。名画や歴史上の人物などに扮する「セルフポートレート」で知られる美術家・森村泰昌(1951年大阪生まれ)がゲストキュレーターを務め、同館のコレクションと自身の作品をこねくり回して仕掛ける「ほんきのあそび」だ。

 展示室でまず目に飛び込むのは、林立する大小の絵画の「裏側」。ルーチョ・フォンタナが荒々しく切り裂いたキャンバスからは、裂け目の裏から当て布を施す意外な細やかさが伝わる。画面の穴にひもを通したアントニ・タピエスの作品は、カタログ・レゾネ(総作品目録)に「裏」が「表」として載ったことも。普段は見えないその部分は、何だかあられもない。

拡大する写真・図版「ひっくりかえす」をテーマにした展示室では、入り口に裏側を向けて絵画作品が並んでいる=森田兼次氏撮影

 隠された「裏」が語ることもある。保全のため裏側まで額装で覆われたジョルジュ・ルオーの「パシオン」は、修復時に撮られた裏の写真とともに展示。制作の気迫を感じさせる絵の具汚れと、十字架型に浮き出た木枠が、キリストの裁判を描いた「表」の主題と呼応する。ピカソ晩年の「座る女」は、贋作(がんさく)対策のため裏は写真の公開も禁止だ。

 森村はモノに命を吹き込む。イ…

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