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 米司法省は26日、南米ベネズエラのマドゥロ大統領を麻薬テロや麻薬密輸の罪で起訴した、と発表した。外国の元首クラスを起訴するのは異例。米国はマドゥロ政権の正統性を認めずに、暫定大統領への就任を宣言している野党のグアイド国会議長を支持しており、起訴はマドゥロ政権への圧力を強めるメッセージとみられる。

 米司法省はマドゥロ氏に加え、政権高官ら14人も起訴した。バー司法長官は声明で、「20年以上にわたり、マドゥロと政権高官はコロンビア革命軍(FARC)と共謀し、コカインを米国社会に持ち込んだ」と主張し、「本日の発表はベネズエラ政府内に広がる汚職を根絶することに焦点を当てた」と述べた。マドゥロ氏の身柄拘束につながる情報提供には、最大1500万ドルの報奨金を提供することも明らかにした。

 マドゥロ氏が再選した2018年の大統領選をめぐっては、グアイド氏が「不公正で無効だ」として暫定大統領就任を宣言している。米国はグアイド氏を大統領として承認しており、トランプ米大統領は今年2月の一般教書演説にグアイド氏を招待し、「本当の正統性のあるベネズエラの大統領だ」と紹介した。その際も「マドゥロの暴政は打ちのめされ打倒されるだろう」と非難し、マドゥロ政権に対する圧力を強める構えを見せた。

 ただ、起訴をもってすぐにマドゥロ氏の裁判が始まるわけではない。米国の発表を受け、マドゥロ氏はツイッターに「米国とコロンビアからのたくらみであり、両国はベネズエラを暴力で満たそうとしている。私には国家元首として、祖国の平和と安定を守る義務がある」などと投稿した。(ワシントン=園田耕司、サンパウロ=岡田玄)