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 新型コロナウイルス対策で、神奈川県大和市は26日、アルコール消毒液の品不足に対応するため、除菌効果がある次亜塩素酸水を製造して市民への無料配布を始めると発表した。また、重症化リスクが高い高齢者のために、80歳以上の市民全員に手紙を送り、専用の相談窓口を開くことも決めた。いずれも27日から始める。

 全国的にアルコール消毒液が品薄になっていることに伴い、次亜塩素酸水が注目されているが、自治体が製造して継続的な配布に乗り出すのは全国でも例がないとみられる。

 次亜塩素酸水は、食品衛生法上の殺菌料で、食品添加物に指定されている。厚生労働省の比較実験で、一般的な消毒剤と同等以上の効果があるとされる。

 大和市は、2月27日に次亜塩素酸水の生成装置を購入して製造を開始。スプレーボトルに入れて市役所など公共施設に配置し、保育所や高齢者施設にも配って感染予防に役立ててきた。

 アルコール液の入手困難な状況が続いているため、今回、市民への無料提供を始める。装置を4機に増やして、毎日2千リットル以上を製造。27日から週末も連日、「文化創造拠点シリウス」入り口など2カ所で配る。1人500ミリリットルまでで、空き容器と氏名が確認できる証明書などが必要。

 一方、国内の新型コロナウイルス感染による死者の約7割が80歳以上で、加齢とともに重症化リスクが高まる傾向があることから、市は26日、80歳以上の市内在住者(約1万6千人)全員に感染予防のための手紙を発送した。予防のポイントや、外出を控えてもできる健康作りの方法を案内。「80歳からの電話相談窓口」の開設を伝えている。

 市は、感染症をめぐる情報が大量に発信されている環境下で、高齢者ほど必要な内容の選別に困る人が多く、問い合わせ先などもわかりにくい状態だと分析。そこで、専用の電話窓口(046・261・8008、平日午前8時半~午後5時15分)を開いて、予防情報を中心とする相談に保健師と管理栄養士が応じることにした。医療機関への受診や症状については、県の専用ダイヤルや帰国者・接触者相談センターを案内し、役割を分担する。

 大木哲市長は「長期戦となってきた。基礎自治体が独自にできることは限られているが、一人でも多くの命を守り、市民の不安を取り除くため、できることに取り組みたい」と話す。(吉村成夫)