LNGをコンテナに詰める? 北九州発の輸出戦略とは
女屋泰之
西部ガス(福岡市)が液化天然ガス(LNG)の新しいビジネスで、中国市場に挑戦しようとしている。LNG輸入大国の中国には大手商社も大型タンカーで輸送しているが、同社はコンテナを使った小口の出荷で差別化を図る。国内での大きな需要開拓が望みにくいなか、中国に近い九州の「地の利」をいかして、海外進出への本格的な一歩を踏みだそうとしている。
1月下旬の早朝、北九州市若松区の北九州港ひびきコンテナターミナル。西部ガスのLNGを入れたコンテナ15個が定期貨物船に積み込まれるのを、社員がかたずをのんで見守っていた。
国内でのLNG輸送は地下に埋めたパイプラインや、タンクローリーが主流だ。今回は海を隔てた中国に船で出荷するため、特別にターミナル近くに建つ自社の「ひびきLNG基地」からコンテナで運び出す。船は韓国・釜山を経由して4日後、上海港に着き、現地のエネルギー事業者であるジャスダ・エナジー・テクノロジー社に引き渡されたという。
今回の試行出荷の総量は約2…