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 新年度予算案が可決された直後に開かれた参院予算委員会理事会で、野党筆頭理事の蓮舫氏(立憲民主党)が委員長の金子原二郎氏(自民党)に「公平、中立、平等な議事運営をしていただけたことに、心から感謝する」と伝える一幕があった。野党側が与党の委員長に公式の場で謝意を表明するのは珍しい。

 新年度予算案の審議では、衆院側の予算委員長である棚橋泰文氏(自民)の議事運営が「与党寄り」ではないかと再三問題視された。立法府の委員長は中立性を求められる立場。野党側は最終的に「野党の声に耳を貸さず、政府の都合に合わせて一方的に議事を進行した」として棚橋氏の解任決議案の提出に踏み切った。

 一方、国会審議の舞台が参院側に移ってからは、光景は一変。金子氏は答弁の粗い閣僚に対して再答弁を求めるなど、野党側にも配慮してきた。そうした運営に対し、野党を代表して委員長や与党と議事交渉にあたってきた蓮舫氏が評価を示した格好だ。

 蓮舫氏は「不本意ながら予算案は(委員会を)通ったが、改めて参院の『良識の府』の感覚を共有させていただいた」と強調。「予算委の役割は予算案審議だけではない」とも述べ、今後の予算委開催を念押しすることも忘れなかった。

 一方、異例の「謝意」の背景には、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、国会運営で厳しい与野党対決に踏み切れない野党側の事情も見え隠れした。