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 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は27日の記者会見で、「新型コロナウイルスに対して効果があると実証されていない治療法を使うのは見合わせてほしい」と述べた。ワクチンの開発には「まだ少なくとも12~18カ月かかる」との見通しも示した。

 テドロス氏は、感染者への治療法の開発について国際協力が必要だとし、WHOが設けた開発の枠組みに45カ国が協力していると報告した。そのうえで未確立の治療法を見合わせるよう注意喚起した。「歴史上、論文や試験管では機能したが、人体ではうまくいかず、実際は有害だった例がいくつもある」と述べた。

 例として、2018年からコンゴ民主共和国で流行したエボラ出血熱への対策で、「有効だと思われていた薬が、臨床試験の段階で他の薬と比べてそれほど有効でないとわかった」と話し、「実証結果をよく見なければならない。近道はない」と呼びかけた。(ジュネーブ=吉武祐)