私は「加害者側」? 沖縄に移住した少女の悩み 映画化
伊東聖
本土の中学を卒業後、沖縄にやって来た少女の目を通して、沖縄のいまと歴史を伝えるドキュメンタリー映画「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記」ができた。監督は「描いたのは1人の少女の小さな声。でもそれを通じて沖縄の現実を知ってほしい」と話す。東京や大阪などで近く公開される。
監督を務めたのは、沖縄テレビ放送のキャスター平良いずみさん(43)。那覇市にあるお年寄りのための夜間中学「珊瑚舎(さんごしゃ)スコーレ」を取材していると、新聞のコラムが貼り出されていた。フリースクールも兼ねるこの学校に、石川県から移住して通い始めた坂本菜(な)の花(はな)さん(20)が、「菜の花の沖縄日記」として地元の北陸中日新聞に書いたものだった。
コラムの見出しは「おじい、なぜ明るいの?」。米軍のヘリパッド建設で揺れる東村高江に行ったときに、抗議活動をしている人たちと話すと、意外と明るいことに驚いたと素直につづっていた。
取材を始め、2018年5月に55分のテレビ用ドキュメンタリーを作った。高く評価され、「『地方の時代』映像祭2018」のグランプリなどを受賞。もっと多くの人に見てもらいたい、と映画化に踏み出した。
映画は、菜の花さんが各地を…