今村優莉
「今後、こういう趣旨の取材でしたら私に連絡しないでください」
新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な中国・武漢市が封鎖されて1カ月の節目に報じた新聞の紙面をスマホで撮って取材相手に送ったところ、そう返された。「武漢疲弊 逃げ場なし」という見出しとともに、市民の嘆きを伝えたものだ。SNSと電話で、私は現地の人々に取材を続けていた。
メッセージを送ってきたのは卿園さん(33)。武漢の自宅からオンラインで日本語を教える女性だ。東京にも10年住んでいたという。生まれ育った自分の街が「世界の汚染源」というイメージを持たれることを、彼女は心配していた。
移動が制限され、3日に1度、注文した食料品がマンションの玄関に届けられるときしか家の外に出られない。運動不足を解消しようと「腹筋50回、健康体操5回」と壁に貼り、ネットを見ながらストレッチ。家の掃除もはかどるようになった。友人は料理が上達したと写真を送ってきた。
「確かに大変です。でも、心配だけしていても仕方ないでしょう。ポジティブに過ごしていることも、伝えてほしかった」
武漢の大学生周祥寧さん(21…
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朝日新聞国際報道部