拡大するブラジル・リオデジャネイロのファベーラ、コンプレクソ・ド・アレマンの25日ごろの様子。ボルソナーロ氏の呼びかけの前は、通行人はほとんどいなかったという=マリルセ・マリアさん提供
金持ちが持ち込んだ病気で貧者が殺される――。新型コロナウイルスの感染拡大が勢いを増すブラジルで、こんな批判が起きている。州知事らは感染拡大を防ぐため、外出禁止や商業活動の停止を要請したが、こうした規制は正規の雇用契約なしで働く貧困層を直撃している。
「雇い主に家に入るなと言われ、仕事がなくなった。私だけではない。ここで暮らす多くの人が同じ目にあっている」。サンパウロのスラム街「ファベーラ」の一つ、エリオポリスに暮らす家政婦のフェルナンダ・ソウザさん(37)は、電話越しに話した。
新型コロナウイルスの感染が広がり、公立学校の23日からの閉鎖を宣言していたサンパウロ州のドリア知事は、24日から2週間は外出自粛やショッピングセンター、ジムなどの営業停止などを要請。渋滞が日常のサンパウロは現在、車は数えるほどで、歩く人もわずかだ。
影響をもろに受けたのがファベーラに暮らす人々だ。正規の契約書もなく、日払いの家政婦や掃除人として働いたり、路上で物売りなどをしたりして暮らす人が多い。「地区では収入を絶たれ、食うに困る人も増えてきている」とソウザさんは語る。
ブラジルで最初の感染が確認さ…
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朝日新聞国際報道部