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 ネット通販大手アマゾンが手がける電子書籍読み放題サービスから作品を一方的に削除されたとして、「海猿」などで知られる漫画家の佐藤秀峰氏側が約2億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(中村心裁判長)は30日、佐藤氏側の請求を棄却した。

 判決は、佐藤氏側が契約を結んでいたのはアマゾンではなく別の仲介業者だったと指摘した上で、契約書には「原告が求めた通りに配信する」という規定はないと指摘。アマゾンに不法行為はないと判断した。

 アマゾンは2016年8月、電子書籍が読み放題になる「キンドル アンリミテッド」を開始。佐藤氏の「海猿」「新ブラックジャックによろしく」なども当初は対象だった。

 佐藤氏側は1カ月後にアマゾン側から契約内容の変更を求められ、拒むと対象から外されたと訴えていた。一方、アマゾンは佐藤氏側と直接契約を結んでいないとした上で、仲介業者との契約でも「配信の許諾を取ったもので、配信の義務はない」と反論していた。

 同サービスをめぐっては、開始直後に人気作品が次々と読み放題の対象から外れたとして、各出版社が反発。約1千点が配信停止になった講談社は「大変困惑し憤っている」と声明を発表したが、対象作品の選定や削除を事前に相談するよう求め、今年2月に契約を結び直したという。(新屋絵理)