新型コロナウイルスの感染拡大で世界の経済は一気にストップしつつある。移動は制限され、店は閉じられ、生産は止まる。世界経済は大きく落ち込み、日本経済も壊滅的ショックを受けつつある。政府・与党は「リーマン・ショック時を上回る規模の対策」の検討に入り、野党各党からも具体的な政策要望が相次ぐ。いま喫緊に必要な政策は何か。何を優先すべきなのか。東京財団政策研究所の小林慶一郎研究主幹ら経済学者25人が最近発表した具体的な提言をもとに、それぞれの案にどのような効果と問題点があるか点検した。
経済学者25人が提言したのは8項目。具体的には、①オンライン医療の普及②賢明な財政出動で社会のデジタル化③検査体制の整備④旅館・ホテルを臨時病院施設に⑤株価対策として100兆円の介入枠⑥雇用保障助成金や生活福祉資金貸付制度の拡充⑦マイナンバーを活用した個人向けの緊急融資18兆円⑧激変緩和と新陳代謝の促進、だ。
外出自粛で所得を失った働き手や、売り上げ急減で資金繰りにも四苦八苦する企業に対応するためには、従来の経済対策の発想を超える、大胆にして細心の対策が必要になる。この提言も全体としてそのような問題意識でまとめられている。
まず求められるのは感染拡大の防止だ。提言①はオンライン診療を普及させ、かかりつけ医にも利用させることを求めている。テレワーク(在宅勤務)がこのようなケースで必要となっている事情を考え、社会全体での一層のデジタル化(たとえばオンライン授業や許認可申請のオンライン化)を推し進めることを提言している。
提言③ではウイルス検査の実…

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