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 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)などで作る「ヒバクシャ国際署名」は3月31日、被爆者と視聴者をビデオ会議でつなぐ「オンライン被爆証言会」を開いた。新型コロナウイルスの感染拡大で通常の証言会が開きづらいなか、「高齢化が進む被爆者の証言を直接聞ける時間は限られており、機会を作りたい」と企画。今後も開催する方針という。

 この日は日本被団協事務局次長で広島で胎内被爆した浜住治郎さん(74)が証言し、事前に登録した日本各地の生徒・学生約50人が参加した。爆心地から500メートルにいた父親は遺骨も見つからなかったことを遺影や遺品を示しながら浜住さんが説明。参加者からは「私たち若者にできることは何ですか」「関心がある人が少ないように思う地域で原爆について知ってもらうにはどうすればいいですか」などと質問が相次いでいた。

 「ヒバクシャ国際署名」は核兵器禁止条約にすべての国が参加するように求めて活動しており、国連本部で4月下旬から予定されていた核不拡散条約(NPT)再検討会議に署名を提出する予定だったが、コロナウイルスの感染拡大により会議の延期が決まった。今年は被爆75年の節目だが、各地のイベントも自粛が相次いでおり、被爆者が証言する機会もなくなっている。

 浜住さんは「こういう状況は残念だが、オンラインの証言会でたくさんの人と交流し、伝えることができると実感した。画面を通じて一人ひとりと対面し、普段よりも距離を近く感じた」と述べた。国際署名事務局の林田光弘さん(27)は「本当は被爆者と直接会ってほしいが、それができないのが現状だ。今後もオンラインでの証言会や勉強会を企画したい」。予定が決まり次第、ウェブサイト(https://hibakusha-appeal.net/別ウインドウで開きます)などで発信するという。(大隈崇)