日銀短観、業況判断指数が大幅悪化 7年ぶりのマイナス
日本銀行が1日発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、代表的な指数である大企業・製造業の業況判断指数(DI)が前回の昨年12月調査から8ポイント悪化し、マイナス8となった。悪化は5四半期連続で2013年3月調査(マイナス8)以来、7年ぶりのマイナス。新型コロナウイルスの感染拡大で、企業の景況感が急速に冷え込んでいる。
短観は全国約1万社が対象で、DIは景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた指数。回答期間は2月25日~3月31日。
大企業・製造業の悪化幅は、12年12月調査(9ポイント悪化)以来の大きさ。世界的な感染拡大による需要の急減や、中国での生産停止でサプライチェーン(部品供給網)が寸断されたことなどが響いた。造船・重機などが22ポイント悪化のマイナス29、繊維が20ポイント悪化のマイナス17と悪化幅が大きかった。自動車は6ポイント悪化のマイナス17。
これまで堅調に推移してきた大企業・非製造業は12ポイント悪化のプラス8。悪化は3四半期連続で、13年3月調査(プラス6)以来の低水準。悪化幅はリーマン・ショック後の09年3月調査(22ポイント悪化)以来の大きさだった。訪日外国人客の急減に加え、各種イベントの休止や外出自粛による需要の低迷が響いた。宿泊・飲食サービスは70ポイント悪化しマイナス59、遊園地やゴルフ場などを含む対個人サービスは31ポイント悪化しマイナス6。ともに04年3月の調査開始以来、最大の悪化幅だった。運輸・郵便も24ポイント悪化のマイナス7となった。
中小企業・製造業は6ポイン…

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