闘病の9歳に文学賞 入院ベッドで見つけた書き込みに…
原田達矢
難病と闘う小学3年生が「第11回子どもノンフィクション文学賞」の小学生の部で大賞に輝いた。作品を書いたきっかけは、入院中に使っていたベッドの机の裏をのぞきこんで見つけた、手書きの言葉の数々だった。
「二平方メートルの世界で」
受賞したのは、札幌市立伏見小3年(現・4年)の前田海音(みおん)さん(9)。幼少期から脳神経の病気がある。睡眠中に呼吸が止まることもあるといい、薬を毎日飲んで、年に数回、入院する。受賞作の「二平方メートルの世界で」では、ベッドの上で病気と向き合い、感じた思いを表現した。
昨年5月、札幌市内の病院に入院していたときのことだった。前田さんは検査を待っているときに、たまたま頭と足の方向を逆さにしてベッドに横たわった。備え付けられた机の裏面が目に入った。そこには、たくさんの文字が書かれていた。
「何でも食べられるようにな…