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 新型コロナウイルスの感染拡大で1日に生産停止が決まった自動車大手スバルの主力2工場がある群馬県太田市。清水聖義市長が「太田の街が死んじゃう」と話すなど、市や産業界から悲鳴にも似た声が上がった。

 「(太田)駅前には人がいない。コロナで飲食業界も疲弊している。街が沈む。経験したことのない事が起こる」と清水市長。まずは中小企業への支援策として当初1年間は無利子で1・1%の低利融資の検討を急ぐ。3日に中小企業の若手経営者を集め、市として何ができるか、意見を聞く考えだ。小中学生の子を持つ親たちには総額1億円近い食事券を配るという。

 17~18年のスバルの検査不正を受け、20年度の法人市民税収をすでに43%減と見込む市の財政担当者は「検査不正や昨秋の台風19号の生産停止より、主力の北米での感染拡大で車が売れないのが怖い」。

 スバルで調達副本部長の執行役員を務めた木村正一副市長は「需要が旺盛な中で起きた品質問題での生産停止とは訳が違う。世界的な需要低下に伴う生産調整だけに深刻だ」と話す。

 スバルの1次取引先の東亜工業の会長でもある太田商工会議所の加藤正己会頭は「北米での人気で元気を取り戻しつつある中での操業停止は残念のひと言。一日も早い感染症の終息と、生産の再開を願う」と望みを託す。商議所のアンケートで、資金繰りに窮するホテルや飲食業者は90%超という。「政府の対応は遅すぎる。雇用調整助成金でも何でもいい。とにかく手当てを急いでほしい」(長田寿夫)