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 京都大数理解析研究所の望月新一教授(51)が、数学の超難問「ABC予想」を証明したとする論文を公表してから約7年半。「未来からやってきた理論」と評され、世界でも理解できる数学者は10人ほどとされる革新的な論文は、称賛と疑念の7年半を経てようやく検証が終わり、証明が確定した。

 「興奮」の始まりは2012年8月30日だった。

 4編の英語の論文が、望月氏の研究室のホームページに突如公表された。超難問として有名なABC予想が解決された――。論文の存在は次々と世界の研究者に伝わり、驚きに包まれた。英科学誌ネイチャーは「証明が正しければ、21世紀の数学の最も驚くべき業績の一つ」と紹介。米ニューヨーク・タイムズは「数学の謎にブレークスルー」と報じた。

 だが、その興奮は次第に冷めていった。

 論文が、独自の数学用語や記号、定義にあふれ、ほとんどの人が大意さえつかめなかったためだ。米ミシガン大のジェフリー・ラガリアス教授は取材に対し、「多くのアイデアが新しい数学言語で説明されており、理解するには壁は高くて多い」と指摘した。「新しい概念ゆえに、どこが分からないのかさえ分からない」と漏らす数学者もいた。ABC予想の提唱者の1人、仏ソルボンヌ大のジョゼフ・オステルレ名誉教授でさえ「論文を理解できない」と回答した。当初、理解者は数人程度と言われた。

たった1人で理論構築「先入観捨てないと読めない」

 大理論は通常、複数の数学者が…

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