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 ネットで賭け事ができる「オンラインカジノ」に翻弄(ほんろう)された街が、カンボジアにある。中国資本のカジノが続々と進出し、「黄金の街」と呼ばれたが、今やその姿は一変した。ギャンブルに繁栄をゆだねた街で、何が起きているのか。(シアヌークビル=宋光祐)

「第2のマカオ」一変

 カンボジア南部にある海辺のリゾート、シアヌークビル。巨大経済圏「一帯一路」構想を打ち出した中国からの投資でここ数年、カジノ建設が相次いだ。だが「第2のマカオ」と呼ばれるまでに発展した街では今年に入って、人の姿が一気に消えた。

 3月上旬、ビーチ近くで中国料理店を営む冷光亮さん(34)は昼時でも客が現れない店内で嘆いた。「客はほとんど来ない。従業員も半分にしたよ」

 中国の深圳で雑貨店を経営していたが、昨年3月に友人とやって来た。「シアヌークビルは中国で『黄金の街』と呼ばれていた。友人を訪ねる感覚で気軽に来れば金が稼げるとみんなが思っていた」。貯金を元手にレストランを開き、昨冬ごろまでは1日に1千米ドル(約11万円)の利益が出たが、今年になって赤字が続く。顧客の中国人が街を去ったからだ。

 シアヌークビルで次々に建設された中国資本のカジノの多くは、オンラインカジノのスペースを備えていた。ディーラーとテーブルの映像をネット配信し、どこからでも何人でも参加できる。業者には実際のカジノよりももうけが大きい。

 カンボジアは規制が緩かったため、許可を得た事業者だけでなく、ホテルやアパートの一室で営業する違法な中国のオンラインカジノ業者が次々と進出した。中国資本による建設ラッシュも相まって、建設現場で働く労働者のほか、飲食店の経営や不動産開発などを目当てに中国人がシアヌークビルに集まった。

 政府や地元行政は当初、中国の投資による経済発展を歓迎していたが、犯罪の多発や家賃の高騰などで地元住民が街を追われるなど社会問題が深刻になった。旅行会社でガイドをする男性は言う。「中国人のおかげで景気は良くなったが、カンボジア人は姿を消した。複雑な気持ちだ」

 そこで、カンボジア政府が一転…

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