新型コロナウイルスの感染が拡大している永寿総合病院(東京都台東区)で2日、新たに21人の感染が確認された。都が発表した。近くの高齢者施設や慶応大学病院(新宿区)でも複数の感染が判明し、永寿総合病院から外部に広がった可能性があるという。院内感染と医療機関からの感染拡大の危険性があらわになっている。
永寿総合病院の感染者は2日現在で計128人。3月24日に5人の感染が明らかになって以降、1週間で25倍以上になった。死者は7人で、クラスター(感染集団)が発生した。
PCR検査の対象は全入院患者と医療スタッフだけでなく、過去の入院者まで、計1千人以上に膨らんだ。全員の検査結果が出るのは来週以降という。病院はこれまで、記者会見には応じておらず、院内感染の詳細はわかっていない。
台東区によると、永寿総合病院では海外からの帰国者が診察を受けたことがあった。また厚生労働省のクラスター班からは、今年2月にクラスターが確認された屋形船の感染者と院内感染がつながっている可能性を伝えられたという。
検査の範囲が拡大したことで、感染が外部施設にも波及した疑いがあることがわかってきた。
区によると、区立特別養護老人ホーム「谷中」では3月30日、70代と90代の感染が初めて確認された。全入居者45人と職員約70人を対象に検査を実施したところ、2日までに計8人の感染がわかった。
入居者の1人が体調を崩して永寿総合病院に入院。3月半ばにいったんホームに戻ったが、再び体調不良を訴えて病院に入り、感染がわかったケースがあった。この患者を介して感染が広がった可能性がある。
また、永寿総合病院から転院した患者1人の感染がわかった慶応大学病院ではその後、患者や研修医ら8人の感染が確認された。2日にも新たに複数の初期研修医の感染が判明。病院の広報は「病院の方針で人数については明らかにしない」としている。
病院によると、3月31日に…

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