超正統派ユダヤ教徒に広がる感染 独自生活、政府信じず

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エルサレム=高野遼
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 イスラエルで、超正統派ユダヤ教徒への新型コロナウイルスの感染が大きな関心事になっている。政府の「外出禁止令」が守られず、多くの感染者が出始めているからだ。黒いスーツに身を包み、スマホを持たず、神を信じて伝統に生きる――。厳格な宗教ルールを守る独特な暮らしぶりが背景にあるようだ。

 黒い帽子に黒いスーツ姿の超正統派ユダヤ教徒たちが、マスクをした警察官に路上で取り押さえられる。そんな映像が、連日のように地元のテレビニュースで流れている。政府の「外出禁止令」に従わないことが理由だ。

 超正統派のユダヤ教徒は、かたくなに伝統を守ることが信条だ。特定の地区に集まって住み、ほかの市民との接触を避けて生きている。宗教に基づいた学校制度を持ち、徴兵も免除。話す言語は公用語であるヘブライ語ではなく、独自の言語イディッシュ語。イスラエルの中でも「別世界」に生きているような存在だ。

 宗派によって濃淡はあるが、「ユダヤの教えが守ってくれる」と信じ、科学的な知見や政府の指示を受け入れない傾向にあるとも言われている。

 最近、そんな超正統派が住む…

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