全米オープン会場が「臨時病院」に テニス界も前途多難

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堤之剛
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 世界的に広がる新型コロナウイルスの影響で、テニス界も大きな打撃を受けている。世界の男女のツアー大会は7月13日まで中止が決定し、4大大会で最も格式が高いウィンブルドン選手権も今年の開催を見送った。4大大会の試合会場が「臨時病院」と化しているところもある。

 「途方に暮れる」。今月1日、今年のウィンブルドン選手権の中止が発表されると、男子で大会歴代最多の8度の優勝を誇るロジャー・フェデラースイス)は、自身のツイッターでそう表現した。「芝の王者」は2月中旬に右ひざを手術し、6月29日に開幕予定だった同選手権への復帰を目指していた。

 1877年に始まったウィンブルドン選手権が中止となるのは、プロの参加が解禁となった1968年のオープン化以降初めて。第2次世界大戦などを除いて毎年開催されてきた。

 ただ、新型コロナウイルスの影響で、事態はもっと深刻だ。

 急増する米国では3月末、4大大会の一つ、全米オープン(OP)の試合会場に臨時的な病院を建設すると発表。350の病床の建設を始め、患者や子どもたちに食事を配布するスペースも設けた。同会場の責任者は「とても小さなことだが、私たちができる最低限のことです」とコメントする。

 7月13日まで世界各地のツアー大会が中止されたことで、懸念されるのは下位のツアーに出場予定だった選手たちだ。大会がないため、わずかな賞金を手にすることもできない。

 また、ツアー大会が再開でき…

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