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 ふるさと納税の対象自治体から外したのは違法だとして、大阪府泉佐野市が総務相に除外の取り消しを求めた行政訴訟で、最高裁第三小法廷(宮崎裕子裁判長)は3日、双方から意見を聞く弁論を6月2日に開くと決めた。弁論は判決を見直す場合に必要な手続きで、市が敗訴した大阪高裁判決が見直される可能性が出てきた。

 特定の自治体に寄付をすると2千円を超えた分が住民税や所得税から控除されるふるさと納税制度は、2008年に導入された。

 やがて電化製品や高級牛肉といった高額の返礼品(へんれいひん)で寄付を誘う競争が生まれ、全国の自治体が集めた総額は08年度の81億円から18年度に5127億円まで急増。「地方の応援」という本来の趣旨とかけ離れていると国会で批判された。総務省は「返礼品は寄付額の3割以下の地場産品に限る」との通知を出した。

 19年6月施行の改正地方税法で、総務相の指定を受けた自治体だけが制度を使えるようになり、総務省は直近の半年間に公平を害するような募集をしてこなかったかを指定の基準にすると告示。通知に従わず、高額商品やアマゾンのギフト券など地場産品と無関係の返礼品で寄付を集めてきた泉佐野市を含め、4自治体を指定しなかった。

 総務省の第三者機関が「再検討」を勧告しても結果は変わらず、市は「法的義務のなかった過去の行いを考慮して指定しなかったのは裁量権の逸脱だ」として、一審となる大阪高裁に提訴。今年1月の高裁判決は、18年度に全国で突出して多い寄付金(497億円)を集めた市のやり方が極めて不適切だったと指摘。趣旨に沿った運用に戻すために公平性を考慮するのは裁量の範囲内だとして、訴えを退けた。(阿部峻介)

千代松市長「主張しっかり訴える」

 最高裁が弁論期日を指定したことを受け、大阪府泉佐野市の千代松大耕(ひろやす)市長は「口頭弁論の機会を設けていただき、最高裁に感謝したい。今後は準備を進めるとともに、市の主張をしっかりと訴えていく」とのコメントを出した。(川田惇史)

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 〈ふるさと納税〉 「地方創生」「納税意識の涵養(かんよう)」をうたい、2008年に改正地方税法の成立で導入された。応援したい自治体に寄付をすると、2千円を超えた部分(上限あり)が所得税や住民税から控除される。所得が多い人ほど控除の上限が高く、多額の寄付で豪華な返礼品をもらっても負担は実質2千円で済むため「金持ち優遇」との指摘もある。地方に寄付が集まる一方、居住地の住民税が控除されるため、富裕層が多い都市部は税収を減らす傾向にある。18年度の泉佐野市の寄付額は全国で最も多い497億円で、2番目に多い静岡県小山町の250億円を突き放し、全体(5127億円)の約1割を占めた。