【動画】日本財団は軽症者向けの病床計1万床を首都圏で整備する計画を発表。4月末までに船の科学館の敷地内などに大型テントを設置し、約1200床を整備する=熊倉隆広撮影
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 都市部を中心に新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、医療体制を守るために軽症者らに自宅や宿泊施設で療養してもらう動きが本格化した。自宅で過ごして家族に感染を広げたり、症状が悪化したりしないか――。不安も根強い。東京都などは宿泊施設の確保を急ぐが、十分準備できるかも課題だ。

症状悪化しても「公共交通機関は使えない」

 厚生労働省の方針では、自宅や宿泊施設での療養が導入されるのは、感染が拡大して入院医療が逼迫(ひっぱく)した地域だ。多くの軽症者が入院して重症者の治療ができなくなる「医療崩壊」を避ける狙いがある。

 軽症かどうかは医師が判断する。厚労省の担当者は3日の会見で「発熱や呼吸器症状、呼吸数などから判断する」とし、一般論として、酸素投与や点滴を必要とする人には入院が必要との認識を示した。

 無症状や軽症の人でも自宅で過ごせば、家族に感染させる恐れがある。世界保健機関(WHO)と中国の共同調査団の報告では、中国の流行地で起きた集団感染の8割ほどは家族間で起きていると指摘する。

 厚労省の担当者は家族に感染させるリスクがどの程度かは明らかでないとしつつ、「限りある医療資源をどう使っていくかを考えて、このような対応を示した。亡くなる方をいかに減らすかを優先的に考えていくべきだろう」と、窮余の策だとにじませた。

 患者が過ごす部屋は「原則個室」とし、同居人に高齢者や医療・介護の関係者がいる場合は完全に生活空間をわけることを求める。消毒やマスク、手洗いといった対策も示すが、どこまで徹底できるかは不透明だ。

 自宅でも療養中は1日1回を目安に自治体などが体温やせき、鼻水などの症状を確認する。ただ、症状が悪化する人もいる。その際の病院への移動手段は「公共交通機関は使えない。自家用車は大丈夫」と厚労省の担当者。急変した場合は「救急車の利用」を想定するとした。また、自宅での療養中は外出はしない前提だ。厚労省は、ひとり暮らしの人でも、宅配サービスや自治体のサポートで続けられるとの認識だ。

拡大する写真・図版宿泊施設・自宅での療養

 一方、宿泊施設では費用の問題もある。厚労省は「入院措置の場合は個室代をとらないことと同じ考えだ」とし、部屋代や食費は基本的にかからず、タオルやパジャマは入院と同様に自己負担になる見通しだ。

 自宅と宿泊施設での療養について、自治体がどちらを優先させるべきかを問われると、担当者はこう答えた。「こちらが優先と申し上げるつもりはない。自宅療養ができない人もいるので、宿泊施設の必要量は確保してもらいたい」(富田洸平)

「原則個室」でも部屋がない

 都内の団体職員の50代女性は新型コロナウイルスに感染し、10日間以上入院を余儀なくされた。院内では特段の治療もなく、窓が開かない病室のベッドで横になるだけの日々だった。それに比べれば、自宅のほうがまだいいという。「現状では(自宅療養以外の)選択肢はない。もっと早く変えてもらいたかった」と語る。

 しかし「自宅療養」に不安を覚える人は少なくない。

 2015年の国勢調査によると…

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