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 鳥取砂丘の南側にある浜坂駐車場からクロマツ砂防林の中にのびる小径(こみち)を進むと鳥取砂丘にたどりつく。多くの観光客が目指す馬の背までは少し距離があるので時間がない人には向かないが、砂丘の自然を満喫したい人にはお勧めの入り口である。この小径から砂丘に上がる坂の手前の横径(よこみち)には毎年春になると、地面に噴火口のような中央に穴の開いた小さな砂山=写真右がぼこぼことできあがる。これは地下の坑道で越冬したホクダイコハナバチというハチが春の訪れで活動を再開し、地表に向けて掘り進むことでできた巣穴である。

 ホクダイコハナバチはハチの社会性進化の研究を世界的にリードし、1992年に朝日賞も受賞された故坂上昭一北大名誉教授(1927―1996)が40年以上にわたり深く研究されたことで著名な昆虫である。札幌駅のすぐ近くにあり北大にも近い北大植物園内の裸地にこのハチの大きなコロニー(集団営巣地)があり、坂上先生はここで素晴らしい業績を続々と出された。

 札幌でのこのハチの生活史はおよそ次のようだ。地中の坑道で越冬した雌は春に坑道を開けて活動を始める。母バチは坑道の中に5~7個の育室をつくりそこから娘が育つが、その娘バチは自分では産卵しないでもっぱら採餌を担当して巣穴の母親の産卵を助ける。つまりいわゆる働きバチになる。その夏の活動期には平均12個の育室ができ、ここで育った妹と弟は9月上旬頃に巣を去る。妹は外で交尾を終えて巣穴に戻り、越冬して翌年の母バチになる。つまり、春は単独営巣だが、夏には不妊の個体と産卵個体が共同で生活する、昆虫学で「真社会性」と呼ばれる状態になる。

 坂上先生はこれ以外にもいろい…

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