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 トランプ米大統領は4日、米情報機関の内部監察官であるマイケル・アトキンソン氏を解任する方針を明らかにした。同氏が「ウクライナ疑惑」をめぐる政府当局者の内部告発を米議会に伝えたことについて、トランプ氏は「彼はフェイク(虚構)の報告書を議会に提出した」と非難。弾劾(だんがい)裁判後、トランプ氏は自身の意向に逆らった高官を相次いで更迭しており、コロナ危機の最中でも報復人事に踏み切った格好だ。

 トランプ氏は3日、アトキンソン氏を解任する方針を上下両院の情報特別委員会に通告。4日の会見で同氏の解任について問われると、「彼(アトキンソン氏)は極めてひどい仕事をした」「全く恥ずべき人物だ」などと強い不満を表明した。

 アトキンソン氏は2019年秋、米政府当局者から「トランプ氏が7月下旬にウクライナのゼレンスキー大統領に電話し、バイデン前副大統領とその息子の疑惑を調査するように求めた」というウクライナ疑惑についての内部告発を受け取り、「信用性がある」と判断して議会に伝達。これをもとに民主党が多数を占める下院で弾劾調査が進められ、トランプ氏は同年12月に弾劾訴追された。

 だが、トランプ氏は今年2月、共和党が多数を占める上院で無罪判決を得ると、自身に不利な証言をした駐欧州連合(EU)大使や国家安全保障会議(NSC)スタッフらを次々と更迭。民主党トップのペロシ下院議長は3日、声明を出し、「内部監察官の解任は憲法と国家安全保障を守るために職務を行った愛国的な公務員に対する恥知らずの行いだ」と非難した。(ワシントン=園田耕司)