新型コロナウイルスの感染拡大で店舗や催し施設の閉鎖が続くドイツで、政府がフリーランスや芸術家らにも助成金を配っている。突然、生活の糧を絶たれた人たちにとっては「干天の慈雨」だ。だが、経済状況が元通りになるかは見通せず、不安がる人もいる。
「申請して2日で5千ユーロ(約60万円)が振り込まれて、その速さに驚いた」
ベルリンで英語教師をするディートマ・ドムブロフスキさん(63)は喜んだ。12年前から大学など5カ所で英語を教えたり、試験監督をしたりしてきた。新型コロナウイルスの感染拡大でオンライン授業以外の仕事がなくなり、収入の約4割を失った。早速、ベルリン市に助成金を申請した。
政府は3月23日、大企業も含めた資金繰り支援などに加え、総額500億ユーロ(約6兆円)の中小企業支援策を発表した。従業員5人までの企業や個人事業主は最大9千ユーロ(約105万円)、10人までの企業は最大1万5千ユーロ(約175万円)を3カ月分の緊急援助として、一括して受け取ることができる。
担当相「危機の克服に芸術家は絶対に不可欠」
継続的に支払いが求められる家賃や各種リース料などが払えず、資金繰りに窮する人たちを救う狙いで、返済はいらない。議会審議を経て、方針発表の1週間後には受け付けが始まった。
州によって対応は異なるが…

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