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 新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、修学旅行の延期や中止を決める学校が相次いでいる。平和学習の一環として、広島や長崎、沖縄を訪れてきた学校も多い。戦後75年、高齢化する戦争体験者の貴重な証言を聞く機会が失われると、懸念する声が上がる。

 非核宣言都市の大阪府豊中市は、全41校の市立小学校が修学旅行で広島を訪れる。その一つ、市立克明(こくめい)小は5月下旬、広島市の平和記念公園や旧陸軍の毒ガス製造工場跡がある広島県・大久野島を訪ねる予定だったが、9月に延期する準備を始めた。江尻暁子校長は「被爆者の話を聞いたり原爆の恐ろしさを示す展示を見たり、子どもたちにとって大きな学びがある。何とか実施したい」と語る。

 修学旅行から帰った6年生が、被爆者から聞いた証言を他学年の児童に伝える学習も重視してきた。中止すれば、その機会も失われる。「意義は大きいが、状況を踏まえて判断するしかない」と悩む。市教委は1日、小中学校校長会議を開き「延期による実施を」との指針を出した。現段階では中止は望ましくないとの判断だが、どの幅で延期するかは「各学校が実情にあわせて検討」として明示しなかった。

 名古屋市の南山高等・中学校女子部は3月上旬に予定していた中学3年生の長崎市への研修旅行と、高校2年生の沖縄県への研修旅行を中止した。

 「平和の意味を考えていくことのできる人間」を目標に掲げ、20年以上続けてきたが、感染が広がるなか「年度末なので延期できず、涙をのむしかなかった」と浜口吉宏副校長。代わりに事前学習をまとめたリポート提出を求めたが、長崎で予定していた被爆者の証言を聞く機会は失われた。(武田肇)

「前代未聞の事態」

 広島市中区の平和記念公園は閑散としている。平和記念資料館は2月29日から臨時休館が続く。「こんなに長い休館は1955年の開館以来初めて。前代未聞の事態です」と同館啓発課の浜岡克宣課長は言う。

 平和記念資料館には2018年…

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