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 新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で深刻化するなか、欧米流の握手やハグに代わるあいさつ方法として注目されているのが、手を合わせる合掌だ。東南アジアで定着している作法だが、日本では仏を拝むときくらいにしか使わないしぐさにも思える。なぜあいさつに? 龍谷大(京都市)の教授で真覚寺(神戸市)の住職でもある、鍋島直樹さん(61)=真宗学=に聞いた。(聞き手・小林正典)

     ◇

 ――コロナウイルスの問題を受けて、海外の感染症対策の複数の専門家らが、合掌をあいさつとして提唱して話題になっています。

 「仏教圏のアジアの国々では、合掌をして『ナマステ』とあいさつします。ナマステの『ナマス』は、『南無阿弥陀仏』の『南無』のこと。疑いなく信じる、心から敬う、尊重するという意味です」

 ――「テ」は?

 「『あなた』のこと。初対面であっても、相手を心から信じ、敬う。なぜかというと、『あなた』の中に仏様を見るからです。互いに仏様の子として、相手を疑いの目で見ず、まずは心から信じ、敬っていくというのがナマステです」

 「手を合わせるということは、手のひらに何も持っていないことを表します。それは、相手に対し敵意がない、相手を尊敬しているということを示します。逆に拳を握ると、相手は敵になってしまう」

 ――なるほど。

 「合掌は感謝を伝えることができますし、自分の言葉で知らずに相手を傷つけたかもしれないという『すみません』の気持ちも表せます。相手を思っている、相手に感謝している、相手を心配している。相手に触れずとも、そんなことが伝えられるのです」

 ――日本では、あまり人に向かって使わないようにも思います。

 「たとえば『いただきます』がそうです。目の前にいない相手にも使います。亡くなった人に向けて手を合わせて、心を通わせることができます」

 ――鍋島さんは僧侶としてたく…

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