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 「出雲国風土記」(733年完成)に記述のある寺院跡「山代郷南新造院跡」(松江市山代町)の近接地で、寺院よりも古い時代と推定される建物跡が出土した。松江市埋蔵文化財調査室が発表した。寺院との関係は不明だが、柱跡の形状などから倉庫か楼閣の跡と考えられるという。

 山代郷南新造院跡は、茶臼山(171・4メートル)の南側にあり、県の指定史跡。出雲国風土記に「出雲(いずもの)臣弟山(おみおとやま)」という豪族が建立したとある。8世紀前半には寺として存在していたという。南側に門の跡が見つかったが寺域の全体範囲は分かっていない。

 今回の建物跡は、寺院の門跡から約15メートル、本堂跡から約80メートル南に位置する。約30平方メートルにわたり発掘したところ、四角い柱穴が九つ、丸い柱穴が二つ見つかった。調査を担当した三宅和子学芸員によると、四角い柱穴は形状や出土した土器などから、寺院より古い7世紀以降の建物と考えられる。寺院を建てた人物が使った可能性もあるという。丸い柱穴は別の時代に存在した全く別の建物と考えられるが両者の時期の前後は分からないという。

 新型コロナウイルス感染症を考慮し、今回は現地説明会はない。(奥平真也)