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 高齢者が地域のバスや地下鉄を安く利用できる「敬老パス」。高齢者への感謝の気持ちや、外出を促す狙いから全国で同種の制度が広がってきたが、利用者が増えて事業費が膨らみ、全国各地で見直しが進んでいる。神戸市は10月から利用者の負担を増やす方針を決めたが、高齢者らからは「低所得者の暮らしを壊す」との声も。問題の背景を探った。

 神戸市の敬老パス制度は「福祉元年」と言われた1973年に開始。当初の利用者は約4万5千人だったが、18年度は24万1639人に達した。19年度には、母子世帯や障害者を対象に配布していた交通機関を安く利用できる「福祉パス」とともに約50億円の予算を計上していた。

 しかし、近年は予算を超える利用があり、超過分は各バス会社がかぶる状況になっていた。市内のバス事業者らからなる県バス協会(同市中央区)は昨年6月、「非常に重い負担となっていることから、一刻も早い改善を求める」と、緊急要望書を市に提出。市は有識者会議を開き制度の見直しを進めてきた。

 会議の議論を踏まえ、市は、敬老・福祉パスの予算を削減する新年度予算案を提出。これまで110円を上限とした子ども料金に設定していた近郊区バスの乗車料金で、上限が撤廃されることが決まった。市によると、110円だった乗車料金が430円に値上がりする路線もあるという。

 所得の少ない人に配っていた年間約3万円分利用できる無料乗車券も廃止。福祉パスでは、母子世帯への配布をやめ、1人親世帯の高校生を対象とした通学定期の配布に切り替える。

 だが、市が募集したパブリックコメントには、「交通費が負担になる」「外出の機会が減る」など、制度の維持を望む声が殺到した。敬老パス制度は移動にかかる経済的支援のほか、外出で社会参加を促して認知症予防や健康寿命を延ばす効果も期待されており、高齢者の不安は大きい。

 市は今後、65歳以上の市民向…

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