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 甲子園のリードオフマンから大学球界のヒットマンへ――。昨夏の全国高校野球選手権大会で、大阪・履正社高の初優勝に貢献した外野手・桃谷惟吹(いぶき)がこの春、関西学生野球リーグの立命大に入学した。2季ぶりの優勝を目指すチームの起爆剤となれるか注目だ。

 パンチ力のある先頭打者という印象を残した桃谷だが、中学時代は4~6番の中軸で、1番打者になったのは高校2年の秋から。新チームのレギュラーになって突然任され、「足が特に速いわけでもないのに何でだろうと思った」という。

 1番打者には、足の速さや出塁率の高さが求められるほか、球筋や球種など相手投手の情報を引き出すため、球数を投げさせる役割も求められる。それを意識しすぎて自分のタイミングを見失った。だが、「自分らしく積極的にいこう」と切り替えると吹っ切れた。

 昨夏の全国選手権では、5試合連続で初回に先頭打者で安打を記録。1回戦でプレーボール直後にアーチを描くなど、6試合で11安打(28打数)を残し、「打」の履正社の悲願達成の原動力になった。

 石川・星稜高の奥川恭伸(ヤクルト)や三重・津田学園高の前佑囲斗(ゆいと)(オリックス)ら、プロ入りしたライバルからの安打も自信につながった。「1打席目から集中力を高めて打てるのも自分の長所だと思った」

 立命大は、関西学生野球リーグで近大に次いで39度の優勝回数を誇る強豪。有望選手が集う中、早くもオープン戦では1番で起用されるなど、後藤昇監督ら周囲の期待は大きい。「高校時代と投手のレベルが違う。安打も1試合に1本くらい。物足りないです。2本目を打てるようにしないと」と必死だ。

 新型コロナウイルスの拡大で、春のリーグ戦開幕は延期され、チームも3日から20日までの活動休止を決めた。ただ、桃谷自身は「準備する時間が多くなる」と、ポジティブにとらえようと努めている。

 目標は関学大の田口壮(現オリックス1軍コーチ)が記録したリーグ最多の通算123安打。「早くから出場しないと達成できる記録じゃない。1年から安打を重ねたい」(大坂尚子)